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「Both,Up There」&「But,Never」頂戴いたしました。

2010.05.02*Sun*
昨日の青海様に引き続き、
本日は、「ヴァルハラ」汐見様よりキリリク作品を頂戴してしまいました!。
しかも、2本もっ!!。

汐見様、誠にありがとうございます!!!
お気遣いいただきまして、本当に申し訳ござません。

しかも、今回のこの2本は、
姑息にキリ番狙ったり、ニアピンだったりで、
本来でしたら、多岐のリクエスト権利がないようなものなのですが、
汐見様の優しいお言葉に、とことん多岐ってば甘えさせて頂いてしまいました。

昨日と話が重なりますが、
汐見様、そして青海様から、多岐は沢山のものを頂戴しております。
お二方の作品から滲み零れるミラへの愛情、想い。
それは、まさしく「宝物」と呼べるものだと思っております。

そんな素敵な「宝物」が、また一つ、ふたつ、増えた事、
それは、多岐にとってかけがえのない喜びであり、愛おしきものです。

そして、この2本に関しましては、
リクエストさせて頂く内容を吟味と言いますか、その場の勢いではなく、
シリーズ本来のイメージですとか、空気を壊さないよう、
且つ、多岐の妄想を織り込んでいただけるような、そんなリクエストをさせていただいたつもりです。
…前回(昨年末)に、とんだ粗相をいたしましたので、その教訓も含めて。

頂戴いたしましたのは、『Both,Up There』と、『But,Never』の2本。
どちらも、汐見様サイトの大人気シリーズ『Dice』よりお願いいたしました。

本日は、勿体ないと思いつつも、
折角の直誕前日でもありますし、更に明日は小田原北條五代祭りということで、
景気づけ(?)に『But,Never』を、此方にて掲載させて頂きます。
兄バ…もとい、弟想いの氏照兄大活躍の巻でございます。

そして、もう一つの『Both,Up There』ですが、
勿論、此方短編でも充分素敵な作品となっておりますが、
できますならば、『Dice』シリーズの中の一つとして読んで頂きたいな…と。
あわわっ、これは、まったくの多岐の要望・希望でございます。
この休日を得るのがどんなに大変なことか、あの地に揃って立つまでのお二人の時間を、
是非感じとっていただいてから、読んで頂きたいな、と。
まさに、多岐がこのお話を読んで、そう思ったからに他なりません。
ついでに申し上げますと、多岐、これ最初に拝読した時、泣きましたからね。
『Dice』専用ページもございますので、まずは「ヴァルハラ」様よりお出でくださいませ。

それでは、

既にご覧になられた方がほとんどかと思われますが、
是非もう一度↓"続きを読む" より『But,Never』ご覧頂けたらと存じます。



☆--------------------------------------------
    『But,Never』
         「ヴァルハラ」 汐見香様より
---------------------------------------------☆


氏照には一つ、秘めた野望があった。今日という5月3日に、高耶を朝から夜まで独占して兄弟水入らずの時を過ごすという(彼にとっては)とても大事でささやかながらも譲れない望みだった。これというのも今日があの憎き高耶の恋人面を決め込んでいる直江信綱の誕生日であるということを小太郎がよこした情報によって知った氏照は、怒りを静めるのに必死になりながら高耶と一日を共有するプランを立てた。それは高耶が生まれた地である長野と自分達が育まれてきた小田原周辺を訪れるというもので、昼は観光をした後御当地グルメを満喫し、夜は湘南の昔ながらの旅館の離れに泊まって高耶と語り合うのを氏照は前々からそれは楽しみにしていた。問題はあの憎き名前を口にするのも憎憎しい、自分を「お兄さん」などと馴れ馴れしく呼んでくる男が己の誕生日に託けて高耶に無理難題を吹っかけるのではないかということだったが、慎重に慎重にことを進めた結果、今日という一日限りの時間を氏照は高耶と過ごす了解を得たのだった。
「やったぞ、小太郎!聞け、高耶が私の願いを聞いてくれた。流石はわが弟、何時もあの男にばかりデカイ面をさせていてたまるものか!今日こそは我の力、天下に見せ付けてやろうぞ!」
なんだか方向違いの雄たけびを叫んで喝采している上司の後ろで小太郎は密やかに溜息をついていた。またか、ぬか喜びされるのは、わが主が。本当に懲りない方だ。高耶殿を溺愛されているという事実は兄弟という関係に免じて仕方ないと目を瞑っても、ことここに及んでも尚、この方はあの直江という男の周到さが分からないのだろか。きっと何のかのと理由をつけてあの男はやってくる。小太郎は忍びの勘でそう読んだが、果たして二人が待ち合わせの新宿駅に赴くと、ちゃっかりと其処が自分の定位置とばかりに高耶の隣に立っている長身の姿があった。
「高耶、元気だったか、少し痩せたのではないか?仕事が忙しくて疲れが取れないのではあるまいな、よもやこやつに虐げられたりされてはおらぬな、そうだな、高耶?」
「氏照兄」
喜びの再会に嫌な男が立ち会っているのを見ない振りをしてひっきりなしに自分の会話に高耶を巻き込もうと試みる氏照だが、その口調には直江に対する苦々しい思いがありありと表れていて、高耶が困ったように笑むのを小太郎は見逃さなかった。駅のコンコースでずっと話をするのも何だし、朝早いこの時間混雑する前に自分の車に高耶を乗せて、直江を置き去りにしようと考えた氏照に当の本人が、お兄さんと声をかけた。
「高耶さんは生憎少々疲れているので、私の車でお送りします。先導してくださればついていきますので」
「誰が貴様を連れて行くといった!だいたいそなたは何時も我々の前に立ちはだかる壁のような奴で気に入らないのだ。さっさと帰るがいい」
「氏照様」
「なんだ、小太郎」
「高耶殿が先ほどから困られているように見受けられますが」
「そうなのか、高耶?わしに言えないことはあるまい。なにか不満でもあるか?」
打って変わって優しい声で尋ねた氏照に高耶は戸惑うような視線を向けた後、ようやく口にした。
「氏照兄には悪いけど、ちょっとこの頃夜更かしが続いてて…直江の車の椅子の感触に慣れているから車が変わると寝られないんだ。申し訳ないけど、別に乗ってもいいですか?あと、直江がついてくるのもこいつの誕生日に免じて許して欲しい」
「…左様か」
本当は単なる寝不足ではなく連休であるがために男との情交の時間が過ぎているのであろうことが人の顔を読み取るのが上手い小太郎には分かった。歯切れの悪い高耶から目を直江に移すと、彼は悪びれた様子もなく恋人なら至極当然の営みをしているまでだ、という顔をしている。厚顔無恥というのはこの男のためにある言葉なのかもしれない。高耶殿の首筋にしっかりキスマークを残して、顔色一つ変えない直江に対して寂しそうな顔を隠せない氏照に小太郎は旅の始まりで既に同情を禁じえなかった。
高耶が直江の車に乗り込んだ後も、氏照は無体で粗暴な男が大切な弟に悪事を働かせないか、バックミラー越しに伺っていた。そんなことしたってあの二人はとうに出来上がった恋人同士なのだから、無駄なことです。あなた様が直江殿よりも前に高耶殿と再会していればまだしも、残念ながら高耶殿のベクトルを比較するとあなた様よりもあの男に向いているのは確かなことですから。口にはけしてしない誠実な部下でもある小太郎は氏照の殺気だっていく気配を感じながら、運転を続けた。氏照はひと時もミラーから視線を外すことなく、高耶が直江と話したり、笑ったり、男の肩に凭れて眠りに落ちる姿を目撃していた。あの男、許さん。膝の手を握り締める氏照の様子に、小太郎はもう一度溜息をついたのだった。
そうして一行が長野に到着し、今度こそは高耶の隣を、とばかりに意気込んだ氏照を先頭に4人は高耶にとって思い出深い場所を回った。しかし、高耶はこの春の彼岸に直江と共に両親の墓を訪れており、久しぶりに来た割には汚れていない墓の様子を怪訝に思った氏照に直江自らがそのことを告げた。この人のことが大切だから、一緒に来ました。お供えをして、話をして、それから帰ったんです。まさか城にも寄ったのか?ええ、勿論です。松本に来たら城に詣でない理由はありませんから。そしてその後はどうした?蕎麦を食べました。高耶さんは蕎麦がことのほか好きですからね。直江の話を聞けば聞くほど氏照の顔が蒼白になっていく。自分の練っていたプランが悉く男の二番煎じにすぎなかったことを思い知らされた彼は、鬱憤を晴らそうと直江を怒鳴りつけようとしたが、その直前に高耶が言った。
「氏照兄、気を悪くしないでください。兄上と直江と来るのは意味が違いますから」
「高耶、お前はわしの弟だな、流石だ。私の心をよく分かってくれる」
「私もお兄さんと高耶さんのご両親にご挨拶できて嬉しいです。高耶さんの血縁にあたる人と親しくなることで自分が次第にこの人の相手だと文字通り認められていく気がします」
ぴきり。氏照の額に青筋が立ったように見えたのは気のせいではあるまい。折角高耶が自分を認め嬉しく感じていたところだったのに、継がれた直江の言葉のせいでそれは全て霧散してしまった。貴様なんてどうでもいいのだ。わしはただ高耶の両親に詫びて、せめてもこれから共にあることを宣言したかっただけだ。その神聖なときを貴様は汚す気か。怒りが沸騰するあまり口から台詞にならない唸り声を上げている氏照の背を小太郎はぽんぽんと叩いた。氏照様、あまり血圧を上げるとお体にさわります、落ち着かれてください。わしは落ち着いている!そう言う相手に限ってそうでないことを知っているボディガードは己の心に蓋をして氏照の怒りが静まるのを待った。
直江の考えたデート兼高耶の故郷を巡る旅とコースこそ似ていれど、城に行くことも蕎麦屋で昼食を食べることも高耶が嫌な顔一つ見せなかったことで一時はどうなることかと思われた氏照の機嫌もだいぶ持ち直して午後になった。高耶殿は大人だ、ある意味氏照様よりも。そんな想いを深めて観察していた小太郎だが、また小田原方面に向かう際、己の車に高耶が乗るのが当然とばかりに直江がウィンダムの助手席のドアを開けると、一度は下がった氏照のボルテージがまた上がってきた。
「貴様、まだ懲りないのか!高耶はわしの隣がいいにきまっとる」
「お言葉ですが、お兄さん。お兄さんはご存じないかもしれないですが、高耶さんは食事を食べた後、車に酔いやすいんです。これも行きのときと同じで普段乗り付けている車のほうが防げます。だから私の隣にあの人が乗るんです」
「気安く私を兄というな、軽々しい!」
「氏照様」
せめてもと小太郎が氏照のために後部座席のドアを直江に倣って開けると、怒りに頭から湯気を立てながら彼は憮然と乗り込んだ。あまり私の主は口が立つほうではないから、この詭弁ともいえる男に勝てる見込みはないな。直江の論理的な主張にやられてしまい、復讐する手立ても見通しも立たない上司を乗せたまま、車は一路湘南方面に向かった。
目的地についたときはもう4時をまわっていて、西に傾いた太陽が海面を輝かせていた。旅館に入った氏照は海を眺められる展望風呂で高耶と一汗流そうかと思ったが、実行に移す前にまたしても直江の邪魔が入った。
「お兄さん、お疲れと思いますので、お休みになっていてください。私はこの人と一緒に、海辺を散歩してきます」
ならばわしも行く、断じて行く、とは氏照の性格上いえないであろうともう直江という男には分かっていたのだろう。相変わらず困った顔で直江の隣で自分を伺っている高耶を見て氏照は頷くと、気をつけろよ、とだけ言って座り込んだ。けれど、直江と高耶の姿が浜に現れてからは部屋の窓に張り付いて離れない氏照を見て、小太郎は本日3回目の溜息をつく。氏照様、そこからいかに嫌々オーラを出していようと恋に夢中の二人には届きません。あの二人はほら、今浜の砂を歩いて語り合っているのでしょう。その中にはあなた様が想像したくないような直江殿の誕生日に纏わる甘い内容も含まれているかもしれない。そんなに見ていて苦しむのはご自分です。氏照様、近くによって声をかけようとした小太郎はそこで氏照を見て歎息した。遠い砂浜の上で一つになったシルエットを見てしまった氏照は窓枠にしがみ付いたまま動くことが出来なかったのだ。
「氏照様、入浴されてはいかがですか?お供します」
「ああ、小太郎、か」
茫然自失といった感じの氏照はやっと立ち上がると風呂に行き、高耶達が戻ってくる前から食前の酒を飲み始めた。
「高耶、そろそろ宵じゃ。晩飯になるから、そなたも一口飲むがいい」
「兄上、有難うございます」
ビールを注がれて高耶が氏照の相手をしている合間に食事が運ばれ、一同は酒を酌み交わした。とはいっても氏照はもっぱら高耶に酒を勧めるばかりで小太郎は手酌、直江は高耶に勧めたり、自分で飲んだりで気を使った高耶は直江と氏照に交互に酌をした。しかし、そうしていると高耶は結果的に結構な量の酒を口にしてしまい、兄と直江という二人に囲まれて緊張から疲れの溜まっていた彼は酔ってしまったようだった。見かねた直江が高耶を引き寄せ、楽な格好にさせてやる。なにをしている、貴様!顔を酒と怒りに赤くして怒鳴った氏照に直江は涼しい顔で言った。
「なに、酔いが早く醒める様にしているだけです。丁度いい、この水を飲ませておきましょう」
「…!」
直江が口に水を含むと高耶の上に覆いかぶさり、口移しに嚥下させた。キスを見てしまったことに驚いたのみならず、その後、高耶がうっすらと目を開けて「なぉ、ぇ?」「ええ。安心していいから」と遣り取りをした二人が、
「もっかぃ、キス、して」
「いいですよ。何回でもしてあげる」
という甘い言葉を交わした辺りから堪忍袋の尾が切れた氏照はすっくと立ち上がった。またあのパターンか。いつかの出来事が脳裏に甦った小太郎の読み通り、氏照はこちらに背を向けたまま、どでかい声で告げた。
「わしはもう一度、風呂に入ってくる!」
「お供いたします」
「いらん!」
「そうは言われましても酔われた主を一人にするわけには参りません」
告げながら、小太郎が目を直江に投じると男は訳知り顔で目を細めた。分かっている。今、自分達がこの場を離れたらどうなるか。この男は間違いなく高耶殿を抱いて、愛するに決まってリる。高耶殿が正気ならまだしも酔いに任せて甘えている今なら、男の企みを邪魔するものはなにもない。此処にこれ以上いても傷つくのはあなた様です、氏照様。小太郎は主の背をそっと押すと、扉を開いて出て行くことにした。
そのあと小太郎の予想通り直江が高耶を抱いて、氏照と小太郎が部屋に戻ったときは奥の部屋に布団が一組引かれて高耶を守るように直江が横になっていたとか、それを見て辛抱たまらなくなった氏照が癇癪から自棄酒してこの日は花瓶に説教をしたとか、しないとか。観客は誰もいないものの、隣の部屋にいる直江の耳に主の醜態が届くのを哀れと思った小太郎がまたしても手刀を繰り出したとか、どうだとか。彼らが寝入った後直江が高耶を抱き上げて風呂に行ったとか、それを暗闇で小太郎はしっかりと認識していたとか。詰まるところ話はまだまだ続きがあるのだが、此処の場にはっきりと記せるのは。可哀相なことではあるが、この日もやはり氏照は直江に勝てなかったという厳しい現実とその背後で小太郎が歎息し、主を思い、そのために陰ながら尽力していたという明らかな事実なのだった。


~fin




なんででしょ、ミラ本編&「群青」での紳士然とした氏照兄が大好きなのに、
いざ妄想の段になると、途端に"残念な人"方向へベクトルが傾いてしまいます。
ううっ、氏照兄、ごめんなさ~い。

そして、お酒に弱い高耶さん、めろめろにかわいいです~っ!。
お泊り明けの翌日、はて高耶さんは前晩の事を覚えていらっしゃるのでしょうか。
それは、永遠の謎でございます。


重ねて、汐見様には御礼申し上げます。
本当に、本っ当にありがとうござました~っ!!。



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多岐美影

Author:多岐美影
何とか自分の手が届く範囲にてミラージュの世界を満喫したいと画策中。

生息地:江の島と箱根の間(小田原寄り)
性格:典型的な「O型乙女座」人間とよく言われる
ミラ歴:'94春~'96冬=ミラ第2部だけはリアルタイムその後13年のブランクを経て、2009年春再燃
前科:某ボーカリストの追っかけもどき約20年

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