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『Closer Band』頂戴いたしました。

2010.01.02*Sat*
新年早々に、とても素敵過ぎるお年玉を頂戴いたしました。
…お年玉って、多岐一体幾つだよ。

昨年末、汐見様のところにてキリリクをさせていただいたのは、
既に此方でもご報告させていただきましたが、
今回、またしてもお話そのものを頂戴してしまいました!!。
汐見様、本当にありがとうございますっ!。

今回のリクは、多岐の考えなしにより汐見様には大変ご迷惑をおかけしてしまったのですが、
そんな多岐の頭を「いい子いい子」してくれるような(だから、多岐自分の年齢考えろって)、
そんな愛情に満ち溢れたお話にしていただいてます。

自爆覚悟で言いますと、
今回のリクエスト内容は、「高耶さんと直江の赤ちゃんが見たい」です。
えっと、汐見様の書かれる特殊設定の高耶さんが前提となっております。
うん、いくら多岐が笊バカ(=救いようがない)でも、原作設定だった言いませんってば。
そのくらいの分別はギリ持ち合わせてます。
ただ、汐見様の書かれるあの高耶さんがとても優しくって愛おしくって、
それを守るように寄り添う直江がとても頼もしくって。
そうしたら、つい妄想が爛れ漏れしまいました…orz。

多岐の余計な前説などもういらないですね。
それでは、↓Read More からご覧ください。


※恐らく、多岐ブログに来られる方で、
汐見様サイトをご存知ない方はいらっしゃらないとは思われますが、念のため。
再三申し上げているように、今回は特殊設定="ふたなり"となっております。
ご承知おきくださいますよう、よろしくお願いいたします。

☆--------------------------------------------
    『Closer Band』
         「ヴァルハラ」 汐見香様より
---------------------------------------------☆


直江にはこの3週間あまりひどく気がかりなことがあった。それは高耶が何処となく元気を失っているということだ。自分の思い過ごし、あるいは考えすぎならばそれにこしたことはないのだけれど、こういった事態に関する自分の勘は結構あたるというのも知っている直江だった。当の本人である高耶に聞いてみると、かわされるように何時もどおりの綺麗な微笑を浮かべて「何もない、よ」と告げられてしまう。でも、あなた、どこか…と問い詰めようと直江が更に言葉を継ごうとすれば、高耶はそんな年上の男を宥めるように手を伸ばして色素の薄い髪の毛をそっと撫で言葉を引っ込めさせてしまうのだ。
そんな感じでなんとなくもやもやしたまま過ごしていた直江だったが、この漣に来て高耶がシェーカーを振るうのを眺めている間にまたしても不安のようなものが込み上げてきた。勿論二人の関係はほぼ公然のものになっており周知しているフタッフのバーテンなどは二人を温かく見守ってくれるのだが、週末で店の誰もが猫の手も借りたいほど繁盛している今時分は直江であっても流石に恋人を招き寄せることは出来なかった。
「どーしたの?しけた顔しちゃって」
「あ、ぁ」
「ほら、高耶君が入れてくれた折角のバーボンが不味くなっちゃうわよ?」
隣のスツールに腰かけてそう尋ねてきたのは先日千秋の恋人の座を射止めて、今幸せ一杯の綾子だ。彼女の左手の薬指にフランスのブランドのシンプルなリングが嵌っているのを見るとはなしに眺め、直江はまたしても溜息をついた。溜め込みすぎるのもよくないのかもしれない、己に。このままだと何時しかこの名前のない不穏な感情に飲み込まれてしまうような危惧がある。そう感じた直江は、意を決して綾子にことの次第を打ち明けることにした。
「綾子」
「ん?高耶君と言い争いでもしたの?あ、でもさっきは普通に喋ってた、か」
「喧嘩などしてない。ただ…いささか気になることがあってな。言いにくいことなのだが、カレーの匂いが駄目だとか、そういった匂いに敏感になるというのは一般的に何の兆候なんだろうか?」
「まさ、か」
高耶、妊娠しちゃったの?流石に小声で綾子が呟くと、此方に背を向けてグラスをステアしている千秋の耳がぴくりと動いたのが分かった。綾子が直江に何と声をかけたのか付き合いだしてまだ日の浅い男はまだまだ不安なのかもしれないな、直江はそう思ってからごくり、と唾を呑んだ。
「やはり、『そう』なのか?」
「だって、よくそういう話、聞くし…」
あんた高耶君から今までそういうことについて聞いてなかったの?ってかいつも夜どうしてたのよ、はっきり言っておくけど、あんた達の夜のことに興味があるわけじゃないわよ。だけど、高耶は私にとって弟と妹の中間みたいなもんだし、大事に思っているからこんな突っ込んだこと聞くのよ。一応、という感じで綾子が告げると直江は首を振って頷き、「これまでは」と語った。
「普通に抱き合ってもなにも起きなかった。あの人の中で極めてそのまま抱きしめあって朝を迎えたこともしばしばある。けれど、タイミングというものも左右することを考えるともしかしたら、と思うんだ。俺としたらそのまさか、ならば全てを受け止めてあの人を支える準備は出来ている。だが、突然体内にいわば自分以外の異物のようなものが出来ているとしたら、あの人は大丈夫なんだろうか」
「平気なわきゃ、ねーだろ、よ、これにグラス替えろ、直江」
とん、と三杯目のバーボンが置かれて直江が目を上げるとそこには話の流れを承知した千秋の顔があった。あいつは結構神経が細やかだし、心配性だからな、自分からはそういう一大事は言い出せないんだろ。だから、お前が気をこれ以上ないほど使って優しく聞き出してやることが必要だな。もし本当に、マジもんでおめでたなんだったらこれから夜一緒に寝るのにだって差しさわりが出るかもしれないし、お前が我慢しなきゃならない局面が生じることだってあり得る。悩んでないで聞いてみるのが一番なんじゃねぇのか?千秋はぐっと眼鏡を持ち上げて笑うと、そこで直江達に背を向けた。
「千秋の言うとおりだと思うわ。早いとこ確かめないと、高耶君だって心の準備は必要だし。それはあんただって覚悟はいるかもしれないけど、それはもう大丈夫なんでしょ?だったら、少しでも前に踏み出していかないと」
自分よりも年若い二人の言葉がこの時はすんなりと直江の心に落ちてきた。この二人は自分と立場は違えど、高耶のことを思って案じている。それが彼にも伝わってきたからだ。直江は気持ちを整理するべく、残っていた酒を煽ると時計を確かめ、そろそろ早番ゆえにカウンターの奥から出てくるであろう愛しい人の姿を待つことにしたのだった。
「高耶さん」
それから一緒に電車で帰り、家にたどり着くまで変な緊張を醸し出して高耶の気を張り詰めさせないように直江は細心の注意を払った。そして彼が風呂を使って、お気に入りの直江と御揃いのバスローブに着替えてホットミルクを飲みだしてから、ソファの隣に腰かけて、そっと名前を呼びかけた。
「ん?」
「あなたに伺いたいのですが」
ぴくん、と高耶の咽喉が動いた。カップをテーブルの上において、直江の言葉を待っている高耶を胸に抱きすくめて、直江は息を吸った。何時も側にあるのが当たり前になった石鹸の香りのする人を尚一層引き寄せて、囁きを落とす。
「この頃、あなた躯の具合が悪そうですが、なにかありましたか?どこか辛かったら当然俺が守りますから、遠慮しないで言ってくださいね。もう、一人の躯じゃないのでしょう?」
「ぁ…」
高耶が目を見開いて息を呑んだ。一瞬、ひどく張り詰めた空気が漂い、高耶は気まずそうに下を向いてから、もう一度顔を上げた。
「ごめん」
「何を謝るの?」
「だって、…そうじゃなく、て」
「そうじゃない、とは?」
すると高耶はひどく言いにくそうに直江に告げた。
「だから、オレは子供出来てない、し」
「え?あなた妊娠されてるとばかり思っていましたが」
「あ~。だからこの頃なんか言いたそうに、オレの顔見てたんだな、お前」
ようやく合点がいったのか、高耶はくすっとおかしそうに笑うと場を繕うように頭の毛を弄った。
「…ご期待に添えなくてごめんな。オレが料理してるときとか気持ち悪そうにしてたのは、その度に武藤の手料理を思い出してたからなんだ。あ、武藤ってのは漣の厨房のコックな。あいつ、腕はいいんだけど時々創作料理とかいうヘンテコなもん作って賄いに出すんだよ。それがこの間すんごいニンニク大量に使ってたやつで、それ食わされて以来、ニンニク使った料理見ると気分が悪くなっちまうんだ」
それに、オレの躯は生理がないから、その辺の女とはやっぱり違う。だから、原理上から言っても子供は出来ないんだ。直江は其処まで聞いて、もういいと高耶の口を吸った。
「…すみません、変なことを言って、高耶さん」
あなたを傷つけるつもりはなかった。俺が迂闊でした。言葉にしたものは取り消せないと知っていますが、謝罪させてください。あなたと二人の生活に不満があるのではけしてありません。これからも一緒にいてください、宜しくお願いします。直江が頭をこすり付けんばかりに言い募ると、高耶はぱふんとその頭を叩いた。
「バカ直江。早とちりなんかして。…お前がオレとの間に子供が欲しいのは分かるさ。オレはこんな躯だしな。でも無理だから、それは諦めてくれよ。代わりにオレがお前の恋人にも、家族にも、そうだな、子供にはなれっかわかんねぇけど…甘えたり、支えたりしてやるから、それで手を打て、な?」
「高耶、さん」
今のはすごい殺し文句ですよ。いた、ぃ、ひっつく、な。ぎゅうっと抱き込まれて高耶が抗おうとすると、そんな彼の顔にキスの雨を降らせながら直江は笑った。その顔には先ほどまでの苦悩は全く感じられず、晴れやかな雨後の青空のように微笑みが広がっていた。あなたが俺を愛してくれているなら、俺にはなんの不安もありません。どんなにその想いが強いか、証明するから感じてください。そう言いながら、覆いかぶさってバスローブの裾に手を入れてきた直江に、もう高耶は抵抗する術を持たなかった。ただ、男の名前を抗議するように連呼して、それが途中からささやかな喘ぎに変わっていってしまうだけだった。
そうしてキスが本格的なものになり、主導権を完全に直江に握られた高耶が男の腕の中に陥落した頃、置き忘れられた直江の携帯が静かに着信した。ランプと僅かな振動が伝わっただけに過ぎず、熱中する恋人達はそれに気がつかなかったのだが、電話の向こうではその後の直江と高耶の遣り取りを心配した綾子と千秋が気を揉んでいたのだった。直江の背中に腕を回してしがみ付き、胸を揉まれながら啼いている高耶も、恋人の躯にキスマークをつけている直江も知る由もなかったが、この後綾子と千秋の二人は、高耶達が喧嘩でもしているのではないか、と勘違いをして眠れぬ夜を過ごすことになる。それを知らない幸せな二人が漣において酒を奢らされ(主に直江だ)、そのとばっちりがコックであり全ての元凶とも言える武藤のところに回ってきて、しばらく彼がニンニク料理を作らなくなったとか聞くようになるのはそれからしばらくしてからの日のことになる。

end.





潮ちゃんへのとばっちりの半分以上は、多岐の責任かもしれない…。
でも、直江が「もしそうだった」としても、高耶さんを包んでくれる。
それが確認できたことが、多岐にはとても嬉しい出来事でした。

汐見様、この度は誠にありがとうございます。
また多岐にとっての「宝物」が増えました。

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多岐美影

Author:多岐美影
何とか自分の手が届く範囲にてミラージュの世界を満喫したいと画策中。

生息地:江の島と箱根の間(小田原寄り)
性格:典型的な「O型乙女座」人間とよく言われる
ミラ歴:'94春~'96冬=ミラ第2部だけはリアルタイムその後13年のブランクを経て、2009年春再燃
前科:某ボーカリストの追っかけもどき約20年

ブログサイト:「天空の石」
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